コラム(詳細)

第221回「ESGと不動産評価」

2023.02/15

経済レポート2899号[令和4年9月27日]掲載

  1. はじめに  シリーズで、ESG、SDGs、持続可能性(サステナビリティ)といった世界的潮流、非財務情報の開示、新しい企業価値、ソフトロー、ハードロー、名ばかりESG、気候変動の機会とリスク、未財務情報をとり上げてきました。今回はいよいよESGの不動産価格への反応について言及します。
  2. ESGとは
     そもそもESGとは、「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」の頭文字をとったもので、経営や投資判断においてESGを考慮することで、持続可能な社会の実現や長期的な利益の創出につながるとするものです。
     不動産の評価においては、ESG以前から、かつては(古くは)環境不動産といういわれ方をしており、環境に配慮した不動産をどのように評価するのかは、古くて新しい議論ともいえます。
  3. 個々の不動産に影響を与えるESGの要因
     「令和3年3月 不動産鑑定評価におけるESG配慮に係る評価に関する検討業務(公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会調査研究委員会)」によると、ESGの切口から関連項目を次のとおり整理しています。
      
  4. 最後に
     不動産の鑑定評価の分野においても、ESG不動産投資の不動産価格への反映が大きなテーマとなっており、研究も進んでいます。ESGに配慮した不動産には経済的プレミアムが発生するのか、賃料が高くなるのか、その利回りは等々……。また、LEED、CASBEE等様々な認証制度も誕生しています。
     最近では、ESGに配慮した不動産は賃料が高い傾向が見受けられるとする調査データもあるようですが、私見としては、鑑定評価上の課題はいまだ山積している状況下にあると思いますが、同時に期待もあると感じています

以上

 

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