コラム(詳細)

第11回「賃料」

2005.01/25

経済レポート2048号[平成17年1月25日号]掲載

 不動産の価格には、正常価格、限定価格、特定価格等があり、これまでそれぞれの価格について概説してきました。今回は賃料(地代や家賃)についてとりあげます。

  1. 地代と家賃
    土地の使用対価を地代といい、建物の使用対価を家賃といいます。
  2. 支払賃料と実質賃料

    支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、実質賃料とは貸主に支払われる全ての経済的対価をいいます。したがって、支払賃料に一時金の運用益や償却額等を加えたものが実質賃料となります。賃料の比較は、実質賃料で行うことが原則です。

    〔例〕
    支払賃料月額30万円、敷金300万円(10ヶ月)、敷金の運用利回りを1%と仮定した場合の実質賃料(月額)は次のとおりとなります。

    [1] 支払賃料・・・・・・300,000円

    [2] 敷金の運用益・・・3,000,000円×1%÷12ヶ月=2,500円


    実質賃料([1]+[2])・・302,500円
  3. 純賃料と必要諸経費等
    賃料をその構成要素からみた場合、賃料は純賃料と賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等から成り立っています。必要諸経費等としては次のものがあげられます。
    ・減価償却費
    ・維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)
    ・公租公課(固定資産税、都市計画税等)
    ・損害保険料(火災、機械、ボイラー等の各種保険)
    ・貸倒れ準備費
    ・空室等による損失相当額
  4. 新規賃料と継続賃料

    [1]  

    新規賃料
    新規賃料とは、「新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料」をいいます。

    [2]

    継続賃料
    一方の継続賃料は、「継続に係る特定の当事者間において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料」をいいます。

    [3]

    両者のちがい
    新規賃料は、初めて賃貸借等の契約を結ぶときの賃料ですから、貸主と借主に縁故関係等の特殊な事情がなければ、市場における合理的な競争関係の中でその額は決定されます。いいかえれば、当事者の自由意思に基づいて、両者納得のうえで決定されます。
    ところが、継続賃料では当事者は通常長期間継続した関係の中にあり、賃借物に資本投下をしている、固定客がついている、地域活動を行っている、引越しに費用がかかる等の理由によって賃料に不満があっても容易に契約関係を解消できない立場におかれていることが往々にしてあります。この様な当事者間においては賃料改定の合意が成立しない場合もあります。一般的な経済状勢だけでなく場合によっては個別な事情にまで踏み込んで評価を行うこともあり、継続賃料の評価は難しい評価といわれています。

以上