コラム(詳細)

第103回「工場財団の評価」

2013.04/09

経済レポート2427号[平成24年11月27日]掲載

  1. はじめに  前回、前々回と工場抵当法による工場財団、狭義の工場抵当についてとりあげました。今回はいよいよ工場財団の評価についてとりあげます。(ちなみに、復習…工場財団とは、土地、建物、構築物、機械器具類等工場に係るものを一括して登記し法律上一個の不動産とみなす制度です。)
  2. 評価の対象  財団の組成物件は、土地、建物はもとより、機械器具類、その他の工作物等、複雑多岐にわたることから、まず財団目録と工場図面等を基に、組成物件の確定・確認を行うことから始まります。目録と物件が不一致であったり、リース物件がある、故障中のものがある等、この作業が容易でないことが多いのが実情です。
  3. 評価の方法  工場財団の評価を行う場合にも、通常の評価と同様に、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3手法を併用することが理想ですが、類似性の高い直近の工場財団の取引が頻繁にあるわけではないことから、現実には原価法と収益還元法の2手法を併用して評価額を決定する方法が主流です。
  4. 最後に  工場は、その規模、生産能力、業種、立地条件、稼働状態等様々であり、加えて外部要因による経済情勢にも大きく左右されることから、企業収益に基づく収益還元法の査定には大変難しいものがあります。また、原価法における機械器具類の陳腐化(特に機能的陳腐化)の判定はやっかいです。
    さらに、スタンドアローン問題、土壌汚染・アスベストといった有害物質への対応、環境問題等多様な要因が複雑に絡み合っており、難しい評価といわれる所以です。
    なお、余談ですが、会社更生法における財産評定は、平成15年の法改正に伴い「継続企業価値」から「時価」へと変更されています。

以上