コラム(詳細)

第114回「満了時期を迎える事業用定期借地権」

2014.03/11

経済レポート2470号[平成25年10月22日]掲載

  1. はじめに  大正10年に制定された借地法は、借主保護が強く、一度土地を貸すと半永久的に戻ってこないなどといわれていました。そこで、貸主と借主との利害調整や土地の有効利用のため借地借家法(以下、新法という)が施行され、その目玉として、貸した土地が必ず戻ってくる定期借地権制度が創設されました。
       新法は平成4年8月1日の施行で、生誕20年を経過しました。存続期間の短い事業用定期借地権のなかには期間満了の時期を既に迎えたものやそろそろ迎える予備軍が多くあるのではないかと思います。
       そこで今回は、満了時期を迎える事業用定期借地権についてとりあげます。
  2. 事業用定期借地権とは  定期借地権には、①一般定期借地権、②建物譲渡特約付借地権、③事業用定期借地権の3種類があります。このうち今回とり上げる事業用定期借地権とは、もっぱら事業の用に供する建物(居住用はダメ)の所有を目的とする借地権で、契約期間の満了時には、更新がなく、建物を自己の費用で収去して、更地として返還するものをいいます(厳密には、特約等により相違することがありますのでご留意下さい)。
       平成4年の新法の施行時には存続期間は10年以上20年以下でしたが、平成20年1月に10年以上50年未満に改正されています。当初はスクラップアンドビルドを前提としたロードサイド型の店舗利用を想定していたものと思われますが、実際にはショッピングモール等の大型なものの利用ニーズも出てきたこと等から、延長されました。
  3. 満了時期を迎える事業用定期借地権    事業用定期借地権は、創設後20年を経過し、今後、次々と満了時期を迎えるのではないかと思われます。新法施行時には返還時のことはあまり議論されませんでした(必ず、返還される契約ですので当然ではありますが)。次の点が指摘できます。
       ・そもそも、定期借地契約について理解不足で更新ができると思い込んでいる
         ケースがある。
       ・契約満了時期に関する期日管理が十分でないケースがある。
       ・現在では、重要な店舗となっており、再契約ができなければ経営上死活問題
         となるケースがある。
       ・再契約を希望しても条件が整わない可能性がある。
  4. 最後に  借地契約のある事業主の方は、取急ぎ借地契約書の再チェックをお勧めします。
       また、「協議の上、再契約できる」とする特約があっても、合意しない限りは再契約はできませんので、法的には意味がありません。
       会計上、「資産除去債務に関する会計基準」においては、有形固定資産の除去に関して、契約で要求される法律上の義務として、「定期借地契約に基づく原状回復義務(建物の取壊し)」が資産除去債務に該当すると考えられています。
       なお、居住用を中心とする一般定期借地権は存続期間50年以上ですので、満了時期はまだまだ先の話です。

以上