コラム(詳細)

第118回「環境不動産(その1)」

2014.07/10

経済レポート2486号[平成26年2月25日]掲載

  1. はじめに  地球環境問題の深刻化等を踏まえて「環境不動産」が提唱されています。我が国では、不動産関連のエネルギー消費は全体の3割以上を占め、過去20年間の増加も著しいものがあります。今回から2回にわたって環境不動産についてとりあげます。
       環境不動産とは明確な定義はありませんが、一般的には、「環境に配慮した不動産」を示すことが多い様です。
  2. 責任不動産投資(RPI)  責任ある不動産投資、「責任不動産投資(RPI:Responsible Property Investing)」これは2006年コフィ・アナン国連前事務総長が提唱した責任投資原則に基づくもので、環境、社会、統治等の諸々の課題を考慮しながら、不動産に投資を行うとするものであり、環境不動産への投資は責任投資原則に即したものと考えられています。
  3. 持続可能性(サステナビリティ)    東日本大震災を契機に、災害に対する対応、災害に備えた対応、耐震性、また、非常事態における事業継続性等が注目されるようになりました。この様な「持続可能性(サステナビリティ)」についても環境問題としてとりあげられる傾向が高まり、最近では、環境不動産とは、持続可能で環境価値の高い不動産とする定義も現われています。
  4. 環境債務  環境債務(Environmental Liability)とは、活動によって環境に及ぼす影響、あるいは将来及ぼしそうな損失、費用、負荷をいいます。企業価値向上のためには、環境債務への取組みと情報開示が必要となりますが、環境債務のなかでも特に注目されているのが「資産除去債務(ARO:Asset Retirement Obligation)」です。これは、汚染の処理等のために将来のある時点で発生する可能性のある負担をいいます。例えば、将来、建物を解体する場合、そのなかに汚染物質が含まれていると通常の解体費用を上回る処分費用がかかります。こういった費用を、建物を解体する前から、資産除去債務として認識し、財務諸表にも反映させようという考え方です。
  5. 最後に     環境への配慮は、倫理的側面も強くありますが、一方で、環境性能に対する評価を行い、不動産評価に積極的に反映させようとする動きもあります。次回は、環境への配慮をいかに評価するかといった環境性能評価についてとりあげます。

以上

 

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