コラム(詳細)

第120回「中古の戸建建物評価の改善(その1)」

2014.09/16

経済レポート2494号[平成26年4月22日]掲載

  1. はじめに  中古の戸建建物を巡る評価がホットな話題となっています。平成26年3月、国土交通省から、「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」、「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル平成25年度報告書」が相次いで出ました。これを基に、中古の戸建建物評価について2回にわたってとりあげます。
  2. 背景  まず、中古の戸建建物評価の改善指針が策定された背景ですが、「取引時に、個別の状態にかかわらず一律に築後20~25年で市場価値をゼロとされる慣行があり、市場活性化の阻害要因となっている」としています。また、この様な評価のあり方は、アメリカと比べマクロベースでは約500兆円の損失につながっている、改善によりライフステージに応じた適切な住居の確保が促進される、長期優良な住宅も出現していること等も指摘しています。
  3. 基本的方向性  改善の基本的方向性としては、現在、主流の評価手法である原価法について、運用改善・精緻化により改めていくアプローチを妥当とし、人が居住するという住宅本来の機能に着目した「使用価値(≠市場価値)を評価の対象とする」と方向付けしています。ひらたく言えば、築後20~25年で売却すればゼロとなる慣行であるが、実際は居住し続けることが可能な場合が多く、これは価値として認識してもよいのではないかとする考え方です。(ケースによっては売却するよりも賃貸にまわした方が長い目でみれば収益を生むのではないかとするデータもあります。)
    さらに、リフォームの実施状況等、個別の建物の状態に応じて、評価を行うことも提言しています。
  4. 最後に  今回の指針は、「不動産の価格はマーケットが決めるもの」という従来的な考え方に比べて、「マーケットそのものを変えて行こうとする試み」ともとれます。
    この新しい評価手法が今後、不動産市場や金融市場に実際に定着するか?事業者間(プレイヤー)のあり方は?消費者にとってわかりやすい見せ方は?等も検討されています。

以上

 

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