コラム(詳細)

第122回「不動産鑑定評価基準等の改正(その1)」

2014.11/12

経済レポート2502号[平成26年6月24日]掲載

  1. はじめに  不動産鑑定士が鑑定評価を行うにあたっての統一的な基準である不動産鑑定評価基準及び同運用上の留意事項(以下、単に「基準等」といいます。)が平成26年5月1日に一部改正されました。改正後の基準等は平成26年11月1日から施行。同日以後に契約を締結する鑑定評価から適用されることになります。
       ※改正後の基準等は国土交通省のホームページにもアップされています。
  2. 基準等とは  そもそもこの基準等は国土交通省の事務次官通知で、どのような理論に基づき、どのような手順で評価を行うのか等、評価を行うにあたって拠り所となるものであって統一的な指針です。ボリューム的には約100ページに及びます。
       当然、不動産鑑定士の試験科目の1つであり大きなウエイトを占めます。当職の受験時代には、合格のためには一言一句丸暗記が必要ともいわれていました。ちなみに、平成26年1月1日現在で不動産鑑定士として登録している者は全国で8,030人(うち女性532人)、広島県では110人(同3人)となっています。(実際に業として行っている者は推測ですが6割程度ではないでしょうか。)
  3. 則った則らないの峻別  この様に、不動産鑑定士が鑑定評価を行うにあたっては基準等に則った鑑定評価を行うことが原則です。ただし、例外として依頼者の内部使用に止まる場合、利用者の判断に大きな影響を与えないと判断される場合、合理的な理由がある場合等においては、基準等に則らない価格等調査を行うことができるとされています。(正式な鑑定評価書に対して、いわゆる調査報告書、意見書、簡易調査等と称されるものです。)
  4. 最後に  基準等は昭和39年に制定されて以来、不動産市場の変化に対応して、これまで累次の改正が行われてきました。(例えば、平成2年では土地基本法の基本理念の導入、投機的取引の排除等、平成14年には収益還元法の整理(DCF法の導入等)、市場分析の重視等、平成19年は証券化等)
       今回の改正は、国際化、ストック型社会、証券化、多様な評価ニーズを切り口としています。次回からシリーズで具体的な改正内容をとりあげていきます。

以上

 

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