コラム(詳細)

第146回「不動産テック」

2016.11/11

経済レポート2597号[平成28年6月21日]掲載

  1. はじめに(フィンテックの次は不動産テック?)  最近何かと話題の「Fin Tech(フィンテック)」ですが、金融の次波は不動産ではないかと言われ始めています。今回は不動産とテクノロジーの造語「Real Estate Tech(不動産テック)」についてとりあげます。
  2. Real Estate Tech(不動産テック)とは IT技術やテクノロジーの進歩に伴い、最近あらゆる業界で、既存業務とテクノロジーの融合化が試みられており、○○テックなる造語が花盛りで、新たなサービスも創出されています。こうしたなか、不動産はアナログ色が強い業界であり、今や、不動産テックは不動産業界や不動産市場にイノベーションを引き起こす可能性があるとまで言われています。
    例えば、現在、不動産取引において「対面」で行われることとされている重要事項説明を「ITの活用」で可能とする社会的実験等も行われています。
  3. 具体的  期待が大きい不動産テックですが、具体的にはどの様な展開(ビジネスモデル)が想定されるのでしょうか。

    ①マッチング
    様々なプレーヤー、資金、ノウハウ、物件等をマッチングさせるビジネス
    ②データ活用
    オープンデータ、ビックデータ等を活用した、情報の一元化・加工・分析・開発・価値化等、マーケティングや価格推計ビジネス等
    ③業務の効率化
    IT等の活用による物件検索、仲介、管理等のビジネス、物件調査の効率化等のビジネス
    ④不動産市場の透明性の向上に関するビジネス
    ⑤不動産市場の将来予測に関するビジネス
    ⑥不動産に関する意思決定ビジネス
    ⑦商慣習の変化等による不動産業自体の革新

  4. 最後に  不動産テックの最終形は人工知能の活用でしょうか。最適な物件の選択、価格査定、借入、購入の意思決定、そして購入後の管理やリフォーム、再売買といった一連の流れはもちろん、室温や安否といった居住空間の管理や環境問題にまで、不動産分野で人工知能が活用できる余地は大いにあると見込まれます。

以上

 

〒730-0013  広島市中区八丁堀7番2号

株式会社 小川不動産鑑定

代表取締役 小川 和夫
(不動産鑑定士)

TEL:(082)222-2253  FAX:(082)222-2254

MAIL:ogakan@msa.biglobe.ne.jp