コラム(詳細)

第176回「田園住居地域」

2019.05/13

経済レポート2718号[平成30年12月18日]掲載

  1. はじめに  25年ぶりに新たな用途地域である「田園住居地域」が創設されました。
       
    まず、用途地域とは、建物の用途等の制限を定める地域指定(例えば、工業専用地域では住宅は建築できない等)ですが、今般の創設された田園住居地域を加えると全部で13種類となりました。今般の創設は一連の都市緑地法等の一部を改正する法律に伴って都市計画法、建築基準法が改正されたものです。今回は、25年ぶりの新用途地域「田園住居地域」をとり上げます。
  2. 改正の背景   今般の改正は、「生産緑地の2022年問題」の一連の回避策の一環でもありますが、国土交通省は課題・背景として次の3つをあげています
       ・宅地需要の沈静化・住民の都市農業に対する認識の変化
          →都市農地を都市にあるべきものへ(都市農業振興基本計画)
       ・マンション等の建設に伴う営農環境悪化の防止
       ・住居専用地域に農業用施設等は原則として建てられない状況
  3. 改正内容    まず、住居系の用途地域の一類型と位置付け、その目的を「農業の利便の推進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」としています
       具体的には次のとおりです
       ・開発規制…現況農地における土地の造成、建築物の建築、物件の堆積を市町村長の許可制とする等
       ・建築規制…低層住居専用地域に建築可能なものに加えて、農業用施設もO.K.
       (農産物直売所、農家レストラン等の店舗・飲食店も可)。
       容積率が50~200%である等、日影等の影響を受けず営農継続可能となる形態規制
  4. 最後  この様に今般創設された田園住居地域ですが、筆者がヒアリングした範囲内では、広島県内においては、今のところ直ちに指定される予定はないようです
       最後に、余談ですが、敷地が2つの用途地域にまたがる場合には、その敷地全体の過半が属する(地積が大きい方が属する)地域の規制となります。では、3つ以上の用途地域にまたがり過半を占める地域がない場合はどうでしょうか
       この場合には、建築される建物の用途や配置、法の趣旨等に照らして判断されることとなっています
     

以上

 

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