コラム(詳細)

第191回「地価公示50年(その3)」

2020.08/11

経済レポート2778号[令和2年3月24日]掲載

  1. はじめに  地価公示は、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるなどし、もって適正な地価の形成に寄与することを目的として、昭和45年にスタート。平成31年には50回を迎えました。令和2年3月には第51回目の地価公示の発表が予定されています。
       そこで、前々回から、シリーズで地価公示をとり上げています。今回は、「地価公示の入手方法や活用方法」を解説します。
  2. 入手方法等(1)入手方法等
       地価公示の結果は、毎年、官報で公示されますが、新聞に掲載される外、県庁、市役所、図書館等でも閲覧可能です。また、国土交通省のホームページには、概要が掲載されており、加えて個別の地点については土地総合情報システムで、昭和45年以降の全国の各地点を調べることもできます
    (2)公表事項
       地価公示では、次の情報が公表されます。

    ・公示される標準地の所在地番・住居表示

    ・1平方メートル当たりの価格、地積、利用現況等

    ・標準地の前面道路の状況

    ・標準地についての水道、ガス供給施設及び下水道の整備の状況

    ・標準地の鉄道その他の主要な交通施設との接近の状況

    ・標準地に係る都市計画法、その他法令に基づく制限で主要なもの

     例年、上記に加えて、前年に対して〇%上昇したとか、〇年連続して上昇した、このエリアは上昇が著しい(又は下落が著しい)、全国の地価のトップは〇〇といった事柄やトピックスがマスコミ等で大きく報道されています。

  3. 活用方法    地価公示によって、概ねの地価を把握することが可能となりますが、活用にあたっては次の点に注意が必要です
    (1)かたよらない価格
       営業上どうしても角地がほしい、決算対策や借金の返済のためにどうしても早く売りたいといった様々な事情や思惑等が現実の売買には多くあることから売買価格と地価公示価格とは一致しないこともあります
    (2)更地価格
       土地本来の価値を示すため、建物が建っていない状態を前提として(更地として)評価しています。したがって、貸ビルや取壊しが合理的と認められる建物があるなどの場合の土地の評価とは異なります
    (3)条件の比較
       地価公示地と調べたい土地の道路の狭広、容積率、地形、規模の大小等の優劣を比較することによっておよその価格が導かれます。ただ、精緻な比較にあたってはより詳細な分析が必要となることから、注意も必要です
    (4)1年に1回の公表
       地価公示は1年に1回の公表です。しかしながら、実際の地価は激しく乱高下することもあります。
  4. 最後に  3月下旬には、いよいよ令和最初の地価公示が公表されます。次回の4月号では、発表された地価公示をとりあげます。
       
       
    【参考文献】
    公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(令和元年11月)「Q&Aでわかる地価公示の見方・活かし方」
    一般財団法人国土計画協会「人と国土21第45巻第1号」
       
     

以上

 

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