コラム(詳細)

第198回「土地基本法の改正(その2)」

2021.03/15

経済レポート2805号[令和2年10月20日]掲載

  1. はじめに  前回は、令和2年3月に土地対策の憲法ともいえる土地基本法が平成元年の制定以来、初めてのそして抜本的な改正が行なわれ、所有者不明土地や管理不全土地の増加に伴い、「管理」の観点が大きく追加されたことに言及しました
       今回は、基本的施策の実効性を確保するために、改正のもう1つの目玉として創設された「政府が土地基本方針を閣議決定する制度」によって、令和2年5月26日に政府が閣議決定した土地基本方針をとり上げます
  2. 土地基本方針の主な内容
    ①低未利用土地の需要喚起と取引のマッチング、有効利用の誘導
       ・低未利用地の適切な利用・管理を促進するための税制特例措置やランドバンクの活用等の推進
    ②管理不全土地等対策の促進等を図る取組の推進
       ・管理不全の空き地・空家対策の推進
       ・法務省における民法・不動産登記法改正の検討(相続登記の申請の義務化、共有制度・財産管理制度・相隣関係規定の見直し等)
    土地の境界及び所有者情報の明確
       ・国土調査事業十箇年計画に基づき、新たな調査手続の活用、地域特性に応じた効率的な調査手法の導入を促進し、地籍調査を円滑化・迅速化
       ・オンライン化の取組も含めた各種台帳連携等による土地・不動産に関する情報基盤の整備・充実
  3. 第7次国土調査事業十箇年計画(令和2~11年度)   上記の土地基本方針に即して、次の第7次国土調査事業十箇年計画が策定されています
    令和2年の国土調査法等の改正に基づき、新たな調査手続の活用や、地域の特性に応じた効率的な調査手法の導入を促進する旨を記載
    効率的な調査手法の導入により、第6次十箇年計画における実績事業量約1万㎢と比較して1.5倍の進捗を目指すよう、事業量を設定
    これまで用いている「対象地域全体での進捗率(現在52%を10年後に57%へ)」に加え、新たに「優先実施地域(※)での進捗率(現在79%を10年後に87%へ)」を提示
    土地区画整理事業等により一定程度地籍が明確化された地域、土地の取引が行われ可能性が低い地域(大規模な国公有地、手を入れる必要のない天然林等)を除く地域
     
  4. 最後に    上記の外に、所有者不明土地については、特借法施行3年経過見直しに向けた検討を行い、令和4年には必要な制度見直し等が実施されます
       この土地基本方針は、社会経済情勢の変化、施策の進捗等を踏まえ、国土審議会等での調査審議を通じて不断の見直し(次回改定は令和3年)が行われることとなっています
       
       
    (出典)国土交通省…ウェブサイト、土地白書等
        

以上

 

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