コラム(詳細)

第197回「土地基本法の改正(その1)」

2021.02/15

経済レポート2802号[令和2年9月22・29日]掲載

  1. はじめに  土地対策の憲法ともいえる土地基本法は平成元年に制定されましたが、令和の時代を迎え、令和2年3月に初めてのそして抜本的な改正が行われました。今回はこの改正された土地基本法をとり上げます
  2. 改正の経緯(時代背景) そもそも土地基本法は、バブル期の土地問題(特に異常な地価高騰)に対処するために、土地に対する基本理念を明らかにし宣言したものであり、①公共の福祉の優先、②適正かつ計画的な利用、③投機的取引の抑制、④受益に応じた適切な負担の4つの原則からなります。いわゆる宣言法ですが、④の原則から、課税に係る評価額は、固定資産税は7割評価、相続税は8割評価と大幅に引き上げられ、地価税の導入にも至る等制度改正も進められました(但し、地価税は平成10年から停止中)。その内容は、制定時(バブル期)の時勢柄、右肩上がりの発想で、「所有から利用へ」との志向を示す基調となっていました
    その後、バブル崩壊と長期にわたる地価の下落、グローバル化の進展など経済社会の構造変化等を経て、今日、人口減少の本格化や国民の意識の変化等により、所有者不明土地や管理不全土地が増加。これらの土地の増加は、生活環境の悪化の原因、インフラ整備や防災上の重大な支障となるなど、対応が喫緊の課題となったことから、今般の改正に至ったものです
  3. 改正の概要(内容) 今般の改正で大きくクローズアップされたのは、土地の適正な利用・管理の確保の観点からの土地政策の再構築です。法全般で、周辺に悪影響を与えないように「管理」をすることの重要性を明確化しています
    また、管理に関して、所有者を始め、国、地方公共団体等の責務を規定し、所有者等の責務として登記等の権利関係や境界の明確化に関する規定も定めています。 
  4. 最後に この様に、今般、抜本改正された土地基本法の新たなキーワードは、所有者不明土地や管理不全土地の増加を背景とした「管理」です。また、もう1つの目玉として、「政府が土地基本方針を閣議決定する制度」を創設しています
    次回は、令和2年5月26日に閣議決定された土地基本方針に言及します

    (出典)国土交通省…ウェブサイト、土地白書等
     

以上

 

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