コラム(詳細)

第238回「マンションの評価(その1)」

2024.07/31

経済レポート2967号[令和6年2月27日]掲載

  1. はじめに  相続税評価額と時価との乖離を利用したいわゆる「タワマン節税」は、令和4年4月19日最高裁判決で、次のとおり判示される等注目をあつめました。こうしたなか、令和5年10月国税庁から、マンション評価の新通達(居住用の区分所有財産の評価について)が示され、令和6年1月1日以降に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価については、この新通達によって評価する取扱いに変更されています。
     そこで、今回からシリーズでマンションの評価をとり上げます。今回はそもそもマンションとはです。
     
  2. マンションとは
     上記の最高裁判決は、タワーマンション(一般的に20階以上の超高層マンションをいう)の事例でしたが、今回の新通達は「居住用の区分所有財産」となっていることから、タワマンだけではなく、一般の居住用のマンション全てに適用される点に注意が必要です
     マンションとは、不動産鑑定評価基準では、区分所有建物及びその敷地と類型化されており、「建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分並びに当該専有部分に係る同条第4項に規定する共用部分の共有持分及び同条第6項に規定する敷地利用権をいう。」と定義されています
     したがって、マンションの構成要素は、「専有部分」、「共用部分」、「敷地利用権」の3つです。
  3. 最後に
     専有部分とはまさしく実際に住居として利用している独立した部屋部分でイメージし易いと思います。共用部分とは、廊下や階段等ですが、規約によって共用部分となる規約共用部分(倉庫、集会所等)を有するマンションもあります
     敷地利用権には、所有権だけではなく、地上権や賃借権(いわゆる定借マンション等)を権原としているものもあり、注意が必要です
     また、この3つ以外のその他の構成要素として、専用使用権(専用庭等)を有している場合には、資産価値を左右することもあります。

以上

 

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