第240回「マンションの評価(その3)」
2024.09/12
経済レポート2974号[令和6年4月16日]掲載
- はじめに 相続税評価額と時価(市場売買価格)との乖離を利用したいわゆる「タワマン節税」は、令和4年4月19日最高裁判決が下される等注目をあつめました。こうしたなか、令和5年10月国税庁から、マンション評価の新通達(居住用の区分所有財産の評価について)が示され、令和6年1月1日以降に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価については、この新通達によって評価する取扱いに変更されています。
そこで、前々回からシリーズでマンションの評価をとり上げています。今回は、「乖離が発生する主要因」に触れます。 - 相続税等(相続税・贈与税)における財産の価額
そもそも、相続税における財産の価額は「当該財産の取得の時における時価(客観的な交換価値)」によるものとされており(時価主義)、これを受けて、国税庁では財産評価基本通達に各種財産の具体的な評価方法を定めています。
マンションについては、従来(見直し前)の相続税の評価方法は次のとおりでした。
- 相続税等の評価額と時価との乖離が発生する主要因
国税庁において実施したサンプル調査によると、平成30年における乖離は平均で2.34倍、約65%相当のものが時価(市場売買価格)の半値以下となっています。そのうえで、主要因として次の事柄が想定されるとしています。
- 最後に この様なことから、新通達は上記の4つの主要因(総階数、所在階、築年数、敷地持分狭小度)を指数化することによって評価する方法に見直しされています。
(備考)国税庁の「マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について(報道発表資料)」に拠って作成しています。
以上
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