第241回「マンションの評価(その4)」
2024.10/16
経済レポート2979号[令和6年5月28日]掲載
- はじめに 相続税評価額と時価(市場売買価格)との乖離を利用したいわゆる「タワマン節税」は、令和4年4月19日最高裁判決が下される等注目をあつめました。こうしたなか、令和5年10月国税庁から、マンション評価の新通達(居住用の区分所有財産の評価について)が示され、令和6年1月1日以降に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価については、この新通達によって評価する取扱いに変更されています。
そこで、シリーズでマンションの評価をとり上げています。今回は、いよいよ「新通達の具体的内容」に言及します。 - 基本的な考え方
この新通達の考え方は、相続税等の評価額と時価(市場売買価格)の乖離については、60%に達しない場合には60%に達するまで評価額を補正するとするものです。これは、現在の一戸建ての乖離率と足なみをそろえることによって、マンションと一戸建てのバランスに配慮した結果といえます。
また、乖離の発生する主要因である、総階数、所在階、築年数、敷地持分狭小度の4つを指数化して評価乖離率を求めることが特徴となっています。 - 算式
新通達の算式の概要は以下のとおりです。
- 最後に この区分所有補正率は、国税庁のホームページに掲載されている計算ツールと「居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書」により簡便に計算することが可能となっています。
以上
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