第45回「CRE戦略(その3)…CRE戦略のマネジメントプロセス」
2007.12/11
経済レポート2188号[平成19年12月11日]掲載
- はじめに
CRE(企業不動産)戦略シリーズの3回目です。過去2回は「CRE戦略とは」、「CRE戦略の特徴」について触れました。今回はCRE戦略のマネジメントプロセスすなわち手順についてとりあげます。
- CRE戦略のマネジメントプロセス(手順)
ステップ [1] 問題の認識 不動産に関する様々な問題についての意識の明確化・可視化。 ステップ [2] 現状把握 全ての不動産について、リスク、契約状況、価格、含み損益、担保、賃料等の調査を行い現状を把握する。 ステップ [3] 分析・評価・問題点の抽出 ステップ[2]で把握した内容を基に、各種の分析・評価・問題点の抽出を行う。 ステップ [4] 対処方針の立案・実施 具体的対処方針の策定・実施
・所有・売却・賃貸・信託・証券化・アウトソース等の活用基準
・ガバナンス体制
・人材育成・各種専門家の活用ステップ [5] モニタリング・見直し 内部・外部監査の実施やその結果等を受けた戦略の見直し ステップ[1]へ戻り、サイクルを繰り返すことによる継続的実施 - 最後に
以上がマネジメントサイクルですが、これは「現状を棚卸しして把握する」→「分析して問題点を抽出する」→「改善計画を立案して実行する」といった通常の経営戦略と同じものです。中小企業においても簡易なレベルでは十分実行可能です。特に社長(創業者)だけが不動産の現状を把握している、限られた担当者に任せっ放しにしているといった企業の場合には試してみる必要性は高いと考えられます。
【参考文献・・・CRE研究会報告書(国土交通省)等】
以上