第134回「原価法 その1(再調達原価)」
2015.11/10
経済レポート2550号[平成27年6月23日]掲載
- はじめに 平成26年11月1日から施行された改正不動産鑑定評価基準では、原価法に係る規定が充実・見直しされています。そこで今回からシリーズで原価法についてとりあげます。
まず、原価法は、「価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である。(この手法による試算価格を積算価格という。)」と定義されています。 - 再調達原価とは 再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいいます。
ここまでは従来どおりですが、今回の改正では、次の2点が充実・見直しされています。
・増改築等されている建物の再調達原価の求め方
・付帯費用の明確化 - 増改築等されている建物の再調達原価の求め方 具体的な方法としては、増改築前の建物の再調達原価から増改築等の際に除去された部分に対応する原価額を控除し、実際に発生した増改築等費用のうち新規に置き換えた部分に相当する原価額を加算する方法等が例示されています。
- 最後に これらは、ストック型社会の進展を踏まえ、増改築等が行われた建物について、その価値をより的確に評価していくことが求められていることも背景としてあります。
また、この原価法については、中古住宅流通に関する今後の市場動向等を踏まえて、「さらなる精緻化について検討を行う」こととされています。
次回は「付帯費用」についてとりあげます。
以上
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