第193回「地価公示50年(その5)」
2020.10/12
経済レポート2786号[令和2年5月26日]掲載
- はじめに 地価公示は、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるなどし、もって適正な地価の形成に寄与することを目的として、昭和45年にスタート。平成31年には50回を迎えました。そこで、シリーズで地価公示をとり上げています。
今回は、アーカイブ!地価公示で住宅地の地価を振り返ります。 - 全国の住宅地 全国の住宅地の平均価格は、オイルショック等から昭和50年に一度だけ下落を経験したものの平成3年のバブルピーク時まで一貫して右肩上がりで推移。バブル崩壊後は一転下落が続き、平成19年に上昇に転じたものの、平成21年リーマンショックの影響等から再び下落基調。その後平成29年に横ばい、平成30年以降は1%は超えないものの上昇基調で推移しています。地価は、昭和50年41,500円/㎡、平成3年のバブルピーク時で306,500円/㎡、今回の令和2年では119,900円/㎡。現在の地価は、昭和60年、平成16年、19年、21年、当時の水準となっています。
- 広島市の住宅地 広島市の住宅地の平均価格は、全国と同様に、昭和50年に一度下落したものの平成3年まで上昇が続き、バブル崩壊後は平成27年に上昇に転じるまで下落。以降上昇が続いています。
地価は、昭和50年60,900円/㎡、平成3年のバブルピーク時で250,100円/㎡、上昇前の平成27年106,800円/㎡、令和2年は132,600円/㎡。現在の地価は昭和60年ないし平成15年当時の水準となっています。 - 最後に 以上、住宅地の地価を振り返ってみました。ところで、広島市における商業地の最高価格は、昭和50年1,670千円/㎡→平成3年12,400千円/㎡→令和2年3,550千円/㎡。令和2年の広島市の商業地の平均価格は674,800円/㎡。(昭和58年ないし平成13年当時の水準となっています。)
なお、日本の最高価格は、銀座四丁目の地点で令和2年は57,700千円/㎡。5年連続して過去最高を更新しています。
次回もアーカイブ!地価公示で都市間比較を行ってみます。
以上
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