コラム(詳細)

第59回「不動産リスク(その1)」

2009.02/24

経済レポート2245号[平成21年2月24日]掲載

  1. はじめに
     不動産はリスク資産といわれて久しい。不動産の最大の弱点は流動性(換金性)に乏しいことです。昨今の急激な景気低迷により、不動産は、今、まさに、流動性リスクと価格下落リスクに直面することとなりました。今回からシリーズで不動産リスクについてとりあげます。今回はリスクに対する認識診断です。次の項目をどの程度認識されていますか?
  2. リスク認識診断

    (1) 物理的リスク

    1. 建築工事リスク(工期遅延、施設損傷、工事完成保証、建物瑕疵担保等)
    2. 環境リスク(環境アセスメント、PCB、アスベスト、CO 、土壌汚染、電波障害等)
    3. 地盤リスク(埋蔵文化財、地下水等)
    4. 自然災害リスク(地震及び風水害等)
    5. 火災、爆発等による施設設備損傷リスク
    6. 維持管理費・修繕費変動リスク
    7. 第三者災害リスク
    8. 地域リスク(過疎化リスク、環境変化リスク)
    9. 陳腐化リスク

    (2) 法的・事業的リスク

    1. 法規制・法改変リスク(建築法規、税制法規、借地借家法規等)
    2. 行政許認可リスク
    3. 敷地筆界未確定リスク
    4. 近隣対策リスク、損害賠償リスク
    5. 投資評価リスク(土地建物価格、投資利回り、収益性等)
    6. 共同事業者契約履行リスク
    7. 設計会社、施工会社倒産リスク
    8. テナント倒産リスク、賃料不払いリスク
    9. テナントによる違反工事リスク
    10. 金利変動リスク
    11. 資金調達リスク(リファイナンスリスク含む)
    12. マーケット(市況)リスク
    13. 不動産価格変動リスク
    14. 流動性リスク
    15. 空室リスク
    16. 賃料増減額リスク
    17. 売却評価リスク(土地建物価格等)

(参考文献)
・CRE戦略を実践するためのガイドライン(国土交通省)等

以上