第234回「継続賃料(改定額の決定)」
2024.03/19
経済レポート2952号[令和5年10月31日]掲載
- はじめに シリーズで、継続賃料(既に契約関係に入っている当事間における賃料の改定)を巡る評価についてとり上げています。前回まで、「直近合意賃料」、「事情変更と諸般の事情」、「契約当事者間の公平」をとりあげました。
今回は具体的な改定額の決定方法を取り上げます。
- 具体的な改定額の決定方法
不動産鑑定評価基準では具体的な改定額の決定方法について、次のとおり定めています。
- 評価手法
継続賃料の4つの手法は次の様な点に特徴があります。
・差額配分法…新規賃料と現行賃料との差額に着目した手法
・利回り法…不動産価格と賃料との相関関係に着目した手法
・スライド法…消費者物価指数等、経済指標の推移に着目した手法
・賃貸事例比較法(比準賃料)…類似性のある賃貸事例に着目した手法 - 最後に
上記の過程のなかで、継続賃料固有の価格形成要因である「事情変更に関する要因」と「諸般の事情に関する要因」を勘案することとなります。
ただ、どの様な事情があれば〇%増減するといった個別具体のケースについて定まった指標があるわけではありません。継続賃料の評価は、立退料とならんで、難しい評価であるといわれるゆえんでもあります。
以上
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