コラム(詳細)

第253回「修繕費 資本的支出 修繕更新費」

2025.10/17

経済レポート3027号[令和7年5月27日]掲載

  1. はじめに  建物を長く使用していくためには修繕等が欠かせません。また、建物を評価する際には、今後、必要とされる修繕費等の見通しも重要な要素となります。
     そこで、今回は修繕費等をとりあげます。
  2. 不動産評価における定義
     不動産鑑定評価基準では、修繕に係るものとして、2つを掲げ次のとおり定義しています
     
  3. エンジニアリング・レポート(以下単に「ER」といいます)における定義
     ERでは、不動産鑑定とは異なり、修繕更新費用と称し、次のとおり分類しています
     
  4. 最後に この様に不動産鑑定評価基準とERとでは、整理の仕方が異なっています。実務的にはERで査定された修繕更新費用を、評価を行う際には修繕費と資本的支出に振り分けて採用する方法が一般的と思われます
     なお、資本的支出のことをCAPEX(キャペックス、Capital Expenditure)ということもあり、また、税務上の判断基準(定義)も存在すること等から、現場では、修繕に関する用語が、プレイヤーごとに様々な意で用いられている可能性があるので、注意が必要です。

    ※エンジニアリング・レポート(ER)とは、建築物・設備等及び環境に関する専門的知識を有するものが行った不動産の状況に関する調査報告書です。主として不動産の証券化等におけるデュー・ディリジェンス(適正評価手続)の一環として行われていますが、一般の売買の際に実施することもあります。

以上

 

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(不動産鑑定士)

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