コラム(詳細)

第256回「不動産鑑定評価基準(その2)…不動産の種別」

2026.01/09

経済レポート3039号[令和7年8月26日]掲載

    1. はじめに  不動産の鑑定評価を行うにあたってその拠り所となる統一的な基準を「不動産鑑定評価基準(国土交通省事務次官通知)」といいます。この基準以外にも、基準運用上の留意事項等の国土交通省によるもの、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会が公表する実務指針等もあります。
       シリーズで「不動産鑑定評価基準(以下、単に「基準」という)」をとりあげています。今回は「不動産の種別」です。
    2. 不動産の種別とは
       基準は、不動産の種別とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいうとしています。まず、地域の種別は、宅地地域、農地地域、林地地域等に分けられます
       次に、土地の種別は、地域の種別に応じて分類される土地の区分で宅地、農地、林地、見込地、移行地等に分けられ、さらに地域の種別の細分に応じて細分されます。また、見込地とはある種別の地域から他の種別の地域に転換しつつあるものをいいます(例えば、農地地域から宅地地域に転換しつつある地域のうちにある土地を宅地見込地といいます)。移行地とは細分されたある種別の地域から他の種別の地域へと移行しつつあるものをいいます(例えば、住宅地から商業地へ移行しつつあるもの等)
    3. 用途地域と用地的地域は違う  日本の都市計画法は、第一種住居地域、商業地域、工業地域等の13種類の用途地域を定めて(ゾーンニングをして)、諸規制を行っています。これと異なって、鑑定上、地域の種別を判定する場合は、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的に判断するとしており、必ずしも都市計画法上の用途地域と一致するものではありません。用途地域と用途的地域は違うといわれるゆえんでもあります。
    4. 最後に 上記のとおり、鑑定上は、登記地目などではなく、その土地の属する用途的地域の種別に基づいて評価を行っています。例えば、現況が農地で耕作中であっても宅地地域内にある土地は宅地として評価されることとなります(当然、宅地とするために要する造成費等をも考慮したうえで、価格査定は行われます)
       現況や登記地目、課税上の評価の取扱い、農地法上の定義等と鑑定上の土地の種別は必ずしも一致するものではありません。

以上

 

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