第4回「評価の3手法と評価のプロセス」
2004.06/22
経済レポート2020号[平成16年6月22日号]掲載
- 評価の3手法不動産の価格を求める評価手法には、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3つがあり、「評価の3手法」といいます。これは物の価値を判定する場合に通常我々が考慮する次の3つの側面(価格の3面性)に対応するものです。
[1] 原価性
いくらの費用が投じられたか
⇒原価法(コストアプローチ)[2] 市場性
マーケットではいくらで取引されているか
⇒取引事例比較法(マーケットアプローチ)[3] 収益性
利用することによっていくらの収益(便益)が得られるか
⇒収益還元法(インカムアプローチ) - 評価のプロセス
[1] 評価手法の選択
評価のプロセスとしては、まず、どの手法を採用するかを決めます。必ずしも、3手法全てを採用するわけではなく、不動産の種類等に応じて採用する手法を選択します。[2] 評価手法の適用
データー収集や分析を行って各手法ごとに価格を試算します(これを試算価格といいます)。[3] 評価額の決定
それぞれの手法の適用によって求められた試算価格を相互に比較検討して最終的な評価額を決定します。例えば、貸家となっている不動産は収益還元法を適用して求められた試算価格を重視する等、不動産の種類等に応じた検討を行って決定します。 - 最後に
上記の3手法以外にも開発向け用地の評価に適する開発法。また、賃料を求める場合には賃料独特の評価手法もあります。
次回以降各手法について具体的に検討を行ってみたいと思います。
以上