第92回「収益還元法(その8)」
2011.12/20
経済レポート2382号[平成23年12月20日]掲載
- 収益還元法シリーズの8回目です。前回は直接還元法の設例をとり上げました。今回は、DCF法です。DCF法による収益価格を試みてみます。
- 【解答】
(1)キャッシュフロー表
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(2)保有期間中の純収益の現在価値
上表より保有期間である3年間の純収益の現在価値の合計は次のとおりとなります。
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(3)売却時価格(復帰価格)の現在価値
①売却時価格(復帰価格)
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②売却時価格(復帰価格)の現在価値
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(4)DCF法による収益価格
以上からDCF法による収益価格は(イ)と(ロ)を合計して790と求められます。この様にDCF法は「保有期間中の毎期の純収益の現在価値の合計」と「売却時価格(復帰価格)の現在価値」を足すことにより求められます。
- (補足)
仮に現在価値への割引を考慮しないとすればどうなるのでしょうか?保有期間中の純収益は70+77+75=222、売却時価格(復帰価格)は754ですから、これを合計すると976と求められます。つまり、単独に合計すると976ですが、割引率8%で現在価値に換算すると790となるともいえます。
なお、この物件を790で購入し、シナリオ通りに運用・転売できれば、この物件の投資収益率は8%であったともいえます。
以上