第116回「不動産の広告ルール」
2014.05/15
経済レポート2478号[平成25年12月17日]掲載
- はじめに 最近、レストランのメニュー表示と異なった食材を使用していたとする誤表示なる事件が問題となりました。不動産についてもかつてはひどい広告もあったようです。
今回は、「不動産の広告ルール」についてとり上げます。 - 広告のルール(規約) 広告のルールは業法等の規制や制限の外、「不動産の表示に関する公正競争規約(以下規約といいます)」によって、定められています。
この規約は昭和38年6月21日に不動産業界が自主的に定めたもので、公正取引委員会の認定を受けており、不動産公正取引協議会及び同連合会が運用しています(業界の自主規制です)。 - 80mにつき1分、1畳の広さは 一番有名なものは、JR○○駅から徒歩○分といった、徒歩による所要時間ではないでしょうか。現在では、この規約によって道路距離80mにつき1分と定められています(1分未満の端数が生じたときは切り上げます)。これは女性がハイヒールを履いて歩く速度が基準になっているとする説もありますが、真偽のほどは明らかではありません。
また、畳1枚当たりの広さは1.62㎡以上ないと1畳として表示できません。
※10㎡(壁心)の場合···10㎡÷1.62㎡=6.17畳(約6畳)となります。 - 物件の名称(ネーミング) 「○○公園マンション」等、公園名などを冠する場合の物件の名称(ネーミング)についてもルールがあります。例をあげると次のとおりです。
・公園、庭園、旧跡等·································直線距離で300m以内
・坂名、道路名、街道名·····························物件が接面する場合のみ
・別荘地で温泉地、名勝、湖沼等···········直線距離で1,000m以内
・別荘地で最寄駅名····································直線距離で5,000m以内 - 最高級等 最高級、特選、極、業界一、日本初、抜群、掘出、買得、投売り、激安等の表示を行う場合には合理的な根拠等が求められています。
- 最後に これらはほんの一例にすぎませんが、上記の様な「表示基準」の外、「広告開始時期の制限」、「おとり広告」、「不当な比較広告」、市街化調整区域に所在する土地、接道義務を満たしていない土地、廃屋が存在する土地等については明示する等の「特定事項の明示義務」、「節税効果等の表示基準」等が定められています。
以上
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