第189回「地価公示50年(その1)」
2020.06/12
経済レポート2770号[令和2年1月28日]掲載
- はじめに 地価公示は、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるなどし、もって適正な地価の形成に寄与することを目的として、昭和45年にスタート。平成31年には50回を迎えました。令和2年3月には第51回目の地価公示の発表が予定されています。
そこで、今回から、シリーズで地価公示をとり上げます。 - 地価公示とは 地価公示とは、国土交通省が地価公示法に基づき選定した地点の毎年1月1日現在の1㎡当たりの価格を3月に公表する制度です。昭和45年の第1回目は東京650、大阪240、名古屋80の合計970地点でスタートしましたが、第50回目の平成31年では全国26,000地点(広島県は639地点)で実施されています。
その評価額は、1地点につき2人の不動産鑑定士の評価をもとに国土交通省の土地鑑定委員会(7人の委員で構成)が決定しています。
なお、これと類似の制度として、都道府県が行う地価調査(基準地価)があり、毎年7月1日現在の価格が9月に公表されています。 - 地価公示の役割 地価公示は国民生活の安心を支える重要な制度インフラと位置づけられており、その役割としては、①一般の土地の取引価格に対する指標、②課税評価の基準、③不動産鑑定士等の鑑定評価の規準、④公共用地の取得価格の算定の規準、⑤経済状況を表す1つの重要な経済指標である等があげられています。
なお、税務上の評価との関係は次表のとおりです。
- 最後 次回から5回シリーズで、具体的な評価の流れ、手法、そして地価公示で広島の地価を振り返ってみたいと思います。
ところで、ドラえもん、男はつらいよも50周年だそうです。
「毎日の小さな努力の積み重ねが歴史を作っていくんだよ!」 byドラえもん 【参考文献】
・公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(令和元年11月)「Q&Aでわかる地価公示の見方・活かし方」
・一般財団法人国土計画協会「人と国土21第45巻第1号」
以上
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