第209回「林地評価(ウッドショック)…その2」
2022.02/22
経済レポート2849号[令和3年9月21日]掲載
- はじめに 前回は、ウッドショックと林地の定義や評価上の区分について取り上げました。今回はいよいよ具体的な評価に言及します。
- 林地の評価手法
一般の評価と同様に、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3手法があります。ただ、林地については造成したものがないこと等から原価法の適用は一般に困難とされています。収益還元法については、見込まれる主代収入や管理費等を基に純収益を求めるもので林地期望価法といわれる手法を採用することが一般的です。
具体の評価にあたっては、林地の有する独特な特性に留意するとともに、将来、宅地等への転換の可能性も勘案する必要があります。
- 林地価格 公表されている林地価格としては、都道府県地価調査があり、広島県では次の4地点で実施されています。
- 最後に
以上、林地価格を取り上げましたが、近年は、木材収入だけではなく森林(土地と立木)のSDGsへの貢献(役割)が注目されています。いまのところ森林の多面的な機能を林地価格そのものに反映させる大きな動きはありませんが、企業の非財務情報の開示が進む等によって、新たな価値(価格)を生みだす可能性もあります。
以上
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